ホーム > 実績館トピックス − 2023年3月14日~2024年3月10日 2023年度日本現代詩歌文学館常設展 宮沢賢治没後90年/『春と修羅』刊行100年 賢治に献ずる詩歌【終了】

実績館トピックス

2023年3月14日~2024年3月10日【終了】
2023年度日本現代詩歌文学館常設展 宮沢賢治没後90年/『春と修羅』刊行100年 賢治に献ずる詩歌

~ 詩歌文学館の「常設展」について ~

 当館の常設展示では、年毎にテーマを定め、テーマに即して寄せられた現在活躍中の詩歌人による直筆作品を展示します。テーマは、温泉(07年)、天体(08年)、鉄道(11年)、震災(12-14年)、挫折と復活(20年)など様々です。数十名の作者のテーマへの多様な応答をとおして、広大な現代詩歌の世界にふれてみてください。各展示のために揮毫(筆耕)された作品は、詩歌愛好者にも、普段あまり詩歌に接することのない方にも、作者の息遣いとともに何かを届けてくれることでしょう。

 宮沢賢治は、故郷岩手の空と大地に深く交わり、37年の生涯において、詩や童話をはじめとする多彩な文学作品を残しました。科学・宗教・芸術の広い見識に基づく専門用語、生き生きとした方言や自在なオノマトペ。豊かで新鮮な賢治のことばは、今なお多くの人を惹きつけています。2023年は賢治の没後90年にあたり、翌24年には生前唯一の詩集『春と修羅』の刊行から100年という大きな節目を迎えます。
 その詩集を、賢治は自ら「心象スケッチ」と称し、己の裡に抱えた修羅や愛しい妹の死をも書き留め、心に映る一瞬のなかに、永遠を見出そうとしました。「(すべてわたくしと明滅し/みんなが同時に感ずるもの)/ここまでたもちつゞけられた/かげとひかりのひとくさりづつ/そのとほりの心象スケツチです」(序)―「わたくし」という個人の心象は、「みんなが同時に感ずるもの」でもあると、賢治は言います。この「みんな」は、賢治が山野を歩き、あるいは汽車で運ばれるうちに交感した風や雲、鳥や馬や人間たちの総体であり、絶えず変化する世界そのものなのかもしれません。
 時間と空間を超え、明滅しつづける賢治のことばは、現代を生きる詩歌人たちにどのように受けとめられるのでしょうか。賢治作品の機軸であり、あらたな詩のことばを切り拓いた「心象スケッチ」への多様な応答をとおして、今ここに浮かびあがる賢治の姿を共有し、その先にある100年を展望するべく、「賢治に献ずる詩歌」展を開催します。

公式サイト:www.shiikabun.jp/exhibition/detail/1337( 外部リンク 外部リンク)

チラシ表

会期

2023年3月14日(火)~2024年3月10日(日)

主催

日本現代詩歌文学館

内容

①「宮沢賢治 あるいは『春と修羅』」を題材とした直筆作品 57点
② 特別寄稿(エッセイ) 1点  *図録掲載のみ
③ 美術作品(絵画・オブジェ) 7点 *宮沢賢治「日輪と山」は複製
④ 写真 2点
⑤ 出品者による朗読音声
⑥ 来場者参加型インスタレーション「かげとひかりの大樹たいじゅ

図録

・出品作品の写真と作者のコメント・略歴、特別寄稿(エッセイ)などを収載。
・図録は全国の関係者や団体に寄贈し、希望者に1,000円で頒布。

交通案内

北上江釣子ICから 国道 107 号線を釜石方面へ東進約 2.5 km
JR北上駅からタクシー:約 6 分
バス(岩手県交通):駅西口乗場より乗車、まちなかターミナル下車徒歩約 7 分
JR乗換:北上線横手行(本数僅少)1駅、柳原駅下車徒歩約 3 分

本件に関するお問い合わせ

日本現代詩歌文学館
024-8503 岩手県北上市本石町2-5-60
tel. 0197-65-1728 / fax. 0197-64-3621
mail. shiika@shiikabun.jp

 

日本現代詩歌文学館 井上靖記念室に関するプロジェクトレポート

土蔵を模した展示室の全景
展示施設設計/展示制作・工事

「詩の宝石箱」が納められた小さな蔵

井上靖は詩集『北国』のあとがきで、次のように述べている。『私はこんど改めてノートを読み返してみて、自分の作品が詩というより、詩を逃げないように閉じこめてある小さい箱のような気がした。これらの文章を書かなかったら、とうにこれらの詩は私の手許から飛び去って行方も知らなくなっていたに違いない。』ここに記された「小さい箱」という言葉には、詩の一篇一篇を慈しむような井上靖のまなざしが窺える。このまなざしから詩を鑑賞できること、それを展示の主題とした。…続きを読む

実績館トピックス

ページのトップへ戻る