ホーム事業内容共同研究プロジェクト > 国立科学博物館 × トータルメディア開発研究所 共同研究プロジェクト ダ・ヴィンチ講座「観察の眼 発見の芽」を、金沢21世紀美術館で実施しました。

共同研究プロジェクト


国立科学博物館 × トータルメディア開発研究所 共同研究プロジェクト
 ダ・ヴィンチ講座「観察の眼 発見の芽」を、金沢21世紀美術館で実施しました。

「みること=観察」をテーマに、参加者の体験プロセスを展示会場でモニタリング

共同研究の実践的アプローチとして金沢21世紀美術館でサイエンスコミュニケーションプログラム「ダ・ヴィンチ講座」の第一弾を2日間にわたり実施しました。
今回の調査研究は「観察」に視点をおいています。展示の漠然とした観覧ではなく、対象物を注意深く捉え、その状態などを記録する “観察”という行為を通して得られたヒントがやがて新たな発見の芽へ繋がっていく、その体験プロセスを、実際の企画展示会場「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」でモニタリングしました。
資料をじっくり観察してもらうために、資料のスケッチや動画による展示のレポート作成といったプログラム内容を取り入れ、参加者のさらなる好奇心や探究心をより広げていくためのサポートやファシリテートを行うサイエンスコミュニケーターを配置して実施しました。

 
1日目(2023年2月2日):学生・生徒を集めて、多面的な観察の視点を共有

1日目は、大阪教育大学・金沢美術工芸大学・金沢学院大学の学生、金沢情報ITクリエイター専門学校の生徒にご協力を仰ぎ、展示会場で気になった標本資料を2回に分けてスケッチして頂き、資料とじっくり対峙してもらう機会をつくりました。第1回目のスケッチ終了後は、お互いのスケッチのポイントについて話し合いの場を設け、参加者ごとの視点の違いなどを共有。ディスカッションを通じて多様な視点を共有できた事で、2回目のスケッチでは、最初とは異なった視点での観察行為が生まれ、スケッチ終了後の“振り返りディスカッション”では、参加した学生・生徒から、思わぬ新たな発見があったという声や、もっと詳しく調べたい、などの意見が数多く上がりました。

標本資料を真剣に観察しながらスケッチ 深い観察行為が描くことの変化に繋がる “振り返り学習”としてのグループディスカッション お互いのスケッチを発表しながら、観察のポイントを共有


2日目(2023年2月3日):一般の参加者を公募し、レポート動画の作成を通した観察行動を調査

2日目は、一般の参加者を公募し、展示のレポート動画(ショートムービー)を作成して頂きました。各自、撮影のテーマを企画し、テーマに沿った資料や撮影ポイントなどを検討。スマホを片手に展示会場を歩き回りながら標本資料を撮影していきます。撮影後はアプリを使ってショートムービーに編集。テロップや音楽もつけて展示のレポート動画の完成です。プログラムの体験は大阪教育大学の学生たちにサポートして頂きました。
参加者による展示のレポート動画の作成という形式をとることで、撮影テーマにポイントを絞った標本資料の観察と探求を促すとともに、動画編集後に作品を参加者全員で発表することで各々の多様な観察の視点を共有できる機会をつくりました。

動画のテーマに沿って、展示会場で標本資料を撮影 撮影を通じて自然の不思議をじっくり探究 撮影した画像をつなげて動画を編集、テロップにもこだわる 出来上がった動画を見ながら展示のポイントを振り返り


明らかになったサイエンスコミュニケーションの重要性と可能性

今回のプログラムを通じて、参加者が観察を通じて楽しみながら理解を深めどのように探究へと繋げていけるかを、具体的にモニタリングすることができました。2日目のプログラムでは、学生の体験サポートにより参加者の好奇心や探究心が触発され、展示と参加者の間にサイエンスコミュニケーター(展示体験をサポートする役割としての人材)が介在することが、展示の魅力の向上や教育効果に大きな影響を与えることが明らかになりました。
この調査研究成果は、今後共同研究報告書としてまとめます。

実施概要

◆プログラム実施日
2023年2月2日、2月3日
◆実施会場
金沢21世紀美術館 シアター21+市民ギャラリーB(巡回展「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」会場)
◆今回の調査研究プログラムに活用した展示

「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」
本調査研究プログラムは、金沢21世紀美術館(2023年1月27日~2月8日)で開催された、国立科学博物館の巡回展「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」の会場で行いました。この巡回展は動物たちの標本など、“声なき標本たち”の姿を通して、見つめる眼(観察)と見つける眼(発見)を育み、他の動物との意外な共通点、私たちの日常とのつながりなど、標本にまつわる学びや問いを発見することができる展示となっています。
国立科学博物館
「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」公式サイト
https://www.kahaku.go.jp/event/2022/08whoarewe/( 外部リンク 外部リンク)

共同研究の最新情報は当社のホームページで随時配信していきます。

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