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長坂は八ヶ岳南麓の裾野に広がる高原の町で、先史よりの生活痕跡を多く残す。中でも独特の造形美をもつ縄文土器は、圧倒的な質量を誇る。また高原の豊かな自然は多くの文学者や芸術家を惹きつけ、長坂を題材とした作品も数多い。明治後期の中央線開通は、この地に繭取引をはじめ近代産業の隆盛とそれに伴う劇的な生活の変化をもたらした。本資料館では、この様に表情豊かな長坂の姿を考古と近現代それぞれの視点から紹介する。資料は旧資料館時代以来、収集調査が積み重ねられ、学芸員による手作りの展示が好評を博していた。その雰囲気を損うことなく、かつ容易に展示替え可能な可変性をもち、そこに高原の町を想起させる爽快感を加えることが本件の命題であった。自由度の高い展示システム、木やアルミ・アクリルなど軽快な素材の選択、手作り感を重視した仕上げ、そして過飾を廃したデザインによりそれは達成された。