プロジェクトレポート 2002阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター

震災体験を自らのリスクとして受けとめる、防災の教育・研究拠点。

1.17シアター
1.17シアター
1.17シアター
1.17シアター
震災の記憶をのこす
震災の記憶をのこす
震災直後のまち
震災直後のまち
震災からの復興をたどる
震災からの復興をたどる
阪神高速の橋脚
阪神高速の橋脚
防災・減災体験フロア
防災・減災体験フロア
防災・減災体験フロア
防災・減災体験フロア
震災からの復興をたどる
震災からの復興をたどる
震災を語りつぐ
震災を語りつぐ
  • 1.17シアター
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  • 防災・減災体験フロア
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プロジェクトの狙い・課題

■阪神・淡路大震災の記憶を風化させず、後世への課題・教訓として多くの人々に伝える。

■世界中で今後起こり得る大規模災害の、被害の軽減と復旧・復興に貢献する。

取り組みの視点・解決策

■最新技術で地震体験を再現する1.17シアターと、多様な被災者の体験に基づく“一人称の展示”。

■大規模災害時に被災地を支援し、復旧・復興をコンサルティングする災害対策専門職員の育成。

阪神・淡路大震災の経験と教訓を継承し、これからの防災・減災に
活かすために。

6,434名に及ぶ犠牲者を出した阪神・淡路大震災から5年(平成12年当時)。多くの人々の努力により社会基盤の復興は進んでいたものの、市民生活や経済的な復興には多くの課題が残っていました。この未曾有の災害を21世紀に伝え残し、「震災の記憶」を風化させないことが、強く求められていたのです。 阪神・淡路大震災は、人類が初めて体験する高齢化社会における大都市直下型地震であり、近代都市の脆弱性やともに生きることの大切さなど、多くの反省と教訓を残しました。地震発生から緊急対応、復旧・復興のプロセスを事実として記録し、教訓を多くの人々に伝え、これからの防災・減災に活かすために、震災から5年を契機に「阪神・淡路大震災メモリアルセンター(仮)」が構想されました。そして2002年(平成14年)4月27日、震災から7年目に、「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」がオープンしました。

映画・ゴジラの特撮監督が、震災の実相を映像で再現する。
“一人称の視点”で、展示ストーリーを構成する。

本施設の展示は、地震の発生から復興の過程をたどる展示フロアと、防災に関する最新の情報を提供する展示フロアで構成されます。中でも地震の発生から復興をたどる展示には、震災の悲惨さ、防災・減災の重要性を後世に伝えるために、本施設には子どもをはじめ誰もが理解・共有できる展示体験が求められました。特に地震そのもののすさまじさをリアルに体感・体験していただくために、これまでにない展示手法の導入が課題となったのです。 その解決策として、映画・ゴジラの特撮技術監督として著名な故・川北紘一氏(当時、東宝映像美術の特撮監督)を起用し、最高の特撮技術とCG合成技術で地震体験を再現する1.17シアターを開設しました。1995(平成7)年1月17日、5時46分、地震発生から数分間の出来事、地震の揺れ、建物の崩壊、高速道路やライフラインの崩壊などを、体験者のインタビュー記録、地震発生直後の記録写真・映像をもとに再現。音響や揺れを体感する観覧ステージなどとの複合演出でリアリティを高めました。被災者のPTSD*を刺激するのではないかとの懸念もありましたが、「震災体験を風化させない」という兵庫県の強い意向もあり、リアリティある映像となりました。 また、震災資料・映像などの展示に当たっては、震災や巨大災害を他人ごととしてとらえず、誰もが災害の当事者であることを感じてもらうために、被災者・消防隊員・ボランティアなど、災害に関わるさまざまな人々の視点から展示ストーリーを構成しました。客観的に震災を語る「3人称」の展示ではなく、震災を体験したさまざまな「私」が自分の目で見た震災を語る「1人称」の展示によって、震災や災害を来館者が自らの問題として受け止め、防災・減災に関する最新情報を明日への備えとして持ち帰ってもらいます。 (※)PTSD:極度のストレスによる心的外傷

大規模災害時における現地支援機能をもつ、実践的な防災研究機関として。

本施設では、展示のほか、防災・減災に関する実践的な研究や教育も実施しています。さらに、大規模災害時の現地支援機能を持つことも特徴です。実際に大地震などの災害が起こった際に、現地に赴き、被災地の災害対策本部を支援するとともに、復旧・復興のプロセスを支援するコンサルティングを行います。たとえばボランティアの効果的なマネジメントや、コミュニティの役割の強化など、これまでの実践的な研究成果を被災地の復興に向けて提供します。また、本施設では、日頃から研修を通じて全国の地方自治体で災害対策の中核となる災害対策専門職員も育成しています。 2002年のオープン以来、現在に至るまで、本施設には毎年約50万人の来館者が訪れています。学校の先生方からは、「修学旅行で生徒を連れて行きたい施設NO.1」との評価もいただいています。東日本大震災など大規模災害が相次ぐいま、阪神・淡路大震災の経験と教訓を未来の防災・減災に活かす本施設の役割は、一層高まっています。

公式サイト
http://www.dri.ne.jp/
所在地
神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2
分野
公共文化施設
設立主体
兵庫県
開館年月
2002年(平成14年)4月27日
規模
延床面積8557.69㎡ 展示面積2,300㎡
業務範囲
基本計画・施工・運営計画

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過去の鉄道事故の教訓を活かし、これからの安全を創造する研修施設 過去の事故を繰り返し思い出し、今後の教訓として活かすため、JR九州が2011年に開設した社員研修施設です。過去の重大事故を中心とした報道映像や新聞記事、事故原因を解説したパネル、ヒューマンエラーの体験、近年の故障部品の現物を展示。研修の6つのステップに合わせて展示を構成し、事故のインパクトを実感する導入映像から、希望あふれるドキュメントで構成するまとめ映像まで、一連のストーリーを通じて研修者の記憶に強く印象づけます。また、黒と赤をキーカラーにすることで、学習効果を高め緊張感をもてるような空間を意図しています。

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